2ntブログ
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「一人で寂しくないん?」
「ちっとも!一人の方が楽だもの」
「……」
きっぱり言い切る彼女。
それでもめげずに、
「あんな~昨日××があってん!!」
「○○ちゃんの顔ってめちゃ私好みやねん!!顔描かせてもらえんかな~」
「あ~っ今の娘、可愛いくなかった!?」
などと、自分の好きな話題をひたすら彼女にしていました。

「あなたって本当に女の子の話しかしないのね」
「…す、すいません」
だって、好きなんですもん、女の子とか美しいものが。

ある時お友達に、
「あんな~今日もナカタニちゃんの家に寄るねん!」
「…ケイ…そんなんやから、××さん達にレズって言われるねんで!!」
「え!?そんな事言われてるん?う~む、陰で言われるのは初めてやわ~」
「あんたな~…」
「ほな、あの娘待たしてるし!お先っ!」
「大丈夫か~」
「大丈夫、だいじょうぶ♪」

ナカタニちゃんを自転車の荷台に乗せ、二人乗りで帰りながら~
「あんな~、私とナカタニちゃんがレズやって!」
「え~本当?私、そんな事言われたの初めて」
「私だって初めてやわ~」
お互いの顔を見合わせて笑ってしまいました。

その当時、特にカミングアウトなどはしておりませんでした。
と、言うよりも、自分が何者か…と言う自覚が全くありませんでした。
(いまだによく判っておりませんが…)
それ以前に、自分が他人からどんなキャラクターに見られているのか?
~という自覚すらもなかったと言う…。


大阪はあまり馴染みが無いんじゃないのかなァ~と思ったので、
自転車で行ける所はどこへでも連れてまわってみました。
ナカタニちゃん、ケイ、愛犬・ぶち(ダルメシアン・メス)の二人と一匹で、
近くの河川敷の堤防へ登り、夕日を眺めたり、
二人でこっそり高層マンションに登り、夜景を見下ろしたり、
近くの花火大会の見物に行ってみたり。
(常にチャリンコ2人乗り。運転手ケイ。助手席ナカタニちゃん。)
今から思うと、めちゃ定番の初心者カップルのデートコースみたいでした。

二人でいると、とても楽しかったのです。
彼女はあまりはしゃいで笑う娘ではありませんでしたが、
なぜか私の前ではよく笑っていました。
たぶん、私がアホな事ばっか言っていたからでしょう。

(9)へとつづく。

「ぶっちゃけ、ミキとはケイを通して以外あんまり話した事ないなあ~。
必要な話とか当たり障りの無い話やったらあるけど…」
誰もがそう言います。
では、クラスメイトの皆、彼女の事をどんなイメージで見ていたのでしょうか?
「清楚ってカンジ」
そうやったのか…知らんかった。
確かに、あの娘は色々な肩書きを差し引いても、充分に男子好みの
清純そうな外見でした。
けれど、そんな他人が描いている彼女のイメージとは裏腹に、
とても屈折したものを裡(うち)に秘めている娘でした。
私も最初は自分の勝手なイメージで見ていましたが、
つきあっていくうちに、何か違うなァ~…と思うようになりました。

一見誰にでもあたりは柔らかいのですが、それはうわべだけで、
本当の心の裡(うち)はめったに明かしません。
他人に対して心を開くのが苦手だったようです。
私に対しては~私自身があんまり何でもかんでもありのまま話すと言う
ぶっちゃけキャラだったので、多少心を許してくれていたみたいです。

あの娘には人を寄せつけない壁みたいなものがある…。     
友人、皆が口を揃えて言いました。
私は鈍感だったからなのか、全くそうは思いませんでした。
もしかしたらあったのかもしれませんが、気に入った娘には強引な私の事です、
きっと無意識のうちに破っていたのでしょう。

(8)へとつづく。

ある日彼女の家の近くの公園で、ブランコに揺られながら、
「な~な~、今度生まれ変わったらさ…私の子供になってくれる?」
そう、聞いてみたのです。
すると彼女は、
「…いいけど。でも次に生れてくる時は、ミミズかも知れないよ?」
「…えっと~…」
やっぱり変わってるなぁ~この娘…!!

いつも、何をする時にも彼女はひとりで行動していました。
それを私が追いかけ、つきまとっていました。
「人間て嫌い」
「…え」
~知り合って間も無い頃、そんな言葉を聞かされて、
私の事が嫌いって意味なんやろうか?
少しショックを受けてしまいました。
次の日、気を取り直して、
「昨日の話って…私のことなん…?」
恐る恐る彼女に聞いてみました。
「ううん。あなたの事じゃない。ただあんまり人間が好きじゃないだけ」
「あっ何や、そ~なんか~…!!」
思わずホッと胸を撫で下ろしましたが、
…(;¬_¬)ン?
何か違うような~…。

(7)へとつづく。

彼女…ナカタニ・ミキ(仮名)は一つ上のお姉ちゃんと二人暮らしでした。
父親の仕事の都合で、瀬戸内海のとある県から転校することになりましたが、
学校の授業の関係上、姉妹は家族より一足先に、大阪へとやって来ました。
近くに親戚がいる公団に、二人は住んでいました。
けれど、せっかく引っ越して来ながら、父親の転勤は取りやめになってしまい、
彼女の家族はとある県に残ったまま。
今さら戻れない姉妹は、大阪にそのまま居残ることになってしまったのです。
彼女のお姉ちゃんはとても活発で外交的…という妹とはまったく正反対の性格でした。
友人とのつきあいや、アルバイトでよく留守がちにしていたため、
大抵、ナカタニちゃんは家に一人でした。
私は学校の帰りに彼女の住む公団に寄り道をしたり~(めっちゃ遠回り。)
一度帰宅してからまた遊びにいったりしました。

二人でいろいろな話をしました。
彼女はよく、
「早く死にたい」
~口癖のように言っていました。
「え~何でなん?」
「何もかも面倒だから」
「……」

「私、30才以上は生きたくない。もし生きてたら、おばあちゃんになる前に
自殺する!」
「…そ、そうなん?」

「自分の顔って大嫌い。鏡を見るたびに意地悪そうな顔って思うの」
知らない人が聞くと~
「え~!?あんなに可愛いのに…」
皆、一様に驚きます。

「ちょっとそんな大きい瞳で、じぃっと見んといて~!」
誰かがそう言えば、
「だってお母さんが人の話を聞くときは、その人の目をみなさいって言ってたの」
~と答え…。

「目、ホンマに大きいなぁ~…」
と言われれば、
「え?瞳の大きさは皆同じなんだよ。ただ目の穴の大きさが違うだけ」
…そりゃァ~そうやけどサ。


(6)へとつづく。

皆さま、ごきげんよう。(by 乃亜様。)
諸事情により、以前書きかけていた個人的なお話…
中谷美紀さん似の転校生との出逢いとその後。(のんふぃくしょん)
~のつづきでございます~\(_)
いきなり(5)からはじまりますが、
それ以前のお話は、マイブログの記事…

2009/09/15 揺れる秋桜、舞い散る花びら。(1)
2009/09/17 揺れる秋桜、舞い散る花びら。(2)
2009/09/17 揺れる秋桜、舞い散る花びら。(3)
2009/09/17 揺れる秋桜、舞い散る花びら。(4)
(カテゴリー:◆揺れる秋桜、舞い散る花びら。(おんなのこの話。番外編))

~をご参照下さいませ~m(´_ _`)m
けっこう長いので興味の無い方はスルーの方向でっ(●-`ω-)b!!
では次からどうぞ~\(_)