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(20)病院内・階段
   屋上まで続く人気のない階段。
   上っていくなお。
   重い足取り。

(21)屋上(昼・曇天)
   誰もいない屋上。
   なお、ただ一人。
   まるで世界にただ一人しかいないよう。
   コンクリート・ジャングル。
   都会の中の病院。
   周りに立ち並ぶビルの群れはまるで孤
   独ななおを見下ろしてるかのよう。
   そっと、空を仰ぎ見るなお。
   ぽつ、ぽつ。
   降り出す雨。
なお「・・・雨」
   だんだんときつくなり、どしゃぶりに
   なる。
   動かない。
   その中で、空を仰ぎ見ながら立ち尽く
   すなお。
   そっと両手を広げてみる。
   飛びたい?
   飛べる?
   目を閉じる。
   両手を広げてじっと立ち尽くし続ける。
   何も変わりはしない。
   飛べるはずもない。
   ただ、降り続けるどしゃぶりの雨。
   変えれない。
   手を下ろし、目を開ける。
   雨の中の風景は、世界のおわりのよう。
   しゃがみ、うつむき、膝のあいだに顔
   をうずめるなお。
   この雨は、なおのどしゃぶりの心その
   もの。


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