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彼女…ナカタニちゃんが突然千葉へ行ってしまった日から、
数ヶ月が経ちました。

お正月。
とうとう年も変わってしまいました。
今頃何してるんやろ…?
一月と言えば、私と彼女の誕生月でもありました。
毎年変わったモノを渡していたけれど、
今年も渡そう!
~そう思いながら、多忙にかまけてしまい、
送ったのは、結局三月も末の事でした。

そして四月。
私は社会人になっていました。
慣れない事だらけで、ますます慌ただしい毎日が続き、
彼女のことも、心の片隅で気にかけていながら、
忘れ気味になっていました。
それでも手紙だけは、何とか書き続けていました。

そんなある日、仕事から帰宅すると、母親が電話で誰かと話をしていました。
「ただいま」
「あ、少しお待ち下さい。今、帰ってきました」
そう言うと、私に電話の子機を差し出します。
「…誰?」
「ナカタニさんのお母さん」
「…!」
一体何事なん!?
慌てて電話を受け取ります。
「もしもし、換わりました」
「あ、ケイさんですか?」
「はい、そうです。…どうしたんですか?」
「実は…困ってるんです」
彼女のお母さんは、そう言いました。

千葉へ帰って以来、彼女は勉強をする訳でもなく、働く訳でもなく、
何もせずに、日がな一日、部屋の中で閉じこもりきりの毎日を過ごしていたのです。
そんな生活を半年間も…!
そんな事になっていたとはちっとも知らず…。
何で?
あの娘は今どんな状態でいるんやろ?
ああ、今すぐ、千葉へ飛んで行きたい!

けれど、就職したばかりの私に、そんな事ができるはずもありません。
「あの、今月は無理だけど、来月のゴールデンウィークにはたぶん
何とかなりそうなんで、その時に遊びに行ってもいいですか?」
「ええ、お願いします。ミキも喜びます」
「…」

(17)へとつづく。

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