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ある日、ナカタニ姉妹と私、ぶち(ダルメシアン・メス)の三人と一匹で
近くの河川敷へ散歩に出かけました。

彼女は一人、川辺で石投げをしています。
ぶち(ダルメシアン・メス)は彼女の周りをはしゃいでじゃれつきます。
少し離れて彼女のお姉さんと私の二人はその風景を眺めていました。
(お姉さんと私は同い年デス)
「えと…あの娘っていっつもあんな感じ?」
一度お姉さんに彼女の事を聞いてみたかったのです。
「うん。昔からちょっと変わってる」
「へえ…そうなんか~…」
「正直言って、あの娘が何を考えてるのかよく判らない」
「…」
まるっきり対照的な性格の姉妹やからかなぁ~…。
けれど姉妹仲は悪くは無いんです。
ごく普通の姉妹。

こうして私の高校2年の生活は彼女ではじまり、彼女で終わってしまいました。
高3になって彼女とクラスが離れてしまった時には、どんなにがっかりしたことか…。
それでも放課後に、彼女のクラブ(茶道部)が終わるのを待っていたり、
お互いの家を行き来したり…とつきあいは以前とそれほど変わりませんでした。

靴箱の近くで~2時間も3時間もボーッと一人で待っていたので、
帰宅しようとしていた友人たちに、めっちゃ声をかけられてしまいました。
「ケイ!何やってんの、こんなトコで」
「うん、ナカタニちゃん待ってんの」
「あ、そう。頑張りな~。ほなバイバイ」
「ありがと~。バイバイ」

すっかり日は落ち~辺りが薄暗くなっても、あの娘は姿を見せなくて。
おかしいなぁ~、みんな帰っちゃったし…行き違いになったんやろ~か?
でも外靴があるし…まだ学校にいるんやわ…。もうちょっと待ってみよ。
~その30分後、やっと現れました。
私の姿を見つけて、驚く彼女。
「…ひょっとして、ずっと待っててくれたの?」
「うん」
「…」
「帰ろ」
「…うん」
ほんの少しの間、短い帰り道だったけれど、少しでも一緒にいたかったんです。

(12)へとつづく。

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