2ntブログ
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
写真を撮るのが好きだった私は、文化祭の時に父親の古い一眼レフの
マニュアルカメラ(フィルムを使用するカメラ)を引っ張り出し、
友達を被写体にして、バチバチ撮っていました。(←超ドヘタの横好き。)
そして当然の様に、彼女~ナカタニちゃんも。
「あ、そのまま後ろ向いてて、うん、そうそう!」
「…」
「次はブランコに乗ってるトコがいい。~う~タイミングが難しい~…!」
「…」
彼女は撮られることに何の興味も無いので、カメラを意識しません。
けれど、笑顔をみせてくれないので、
「な~、ほら、笑って!」
「…」
「ほな、歯ァ見せて、イ~ってしてみて?」
「イ~」
…面白いけど、なんか違う。
「あ~、ナカタニちゃん、あれ何や!?」
「え?」
油断した時がシャッターチャンス!!
「も~近所のオバさんじゃない!」
「アホやな~笑顔いただきやっ!」
「…も~…」
無理やり彼女を笑わせていました。

たまに人物デッサンとかもしていたので、
(二人とも美術を選択授業にしていました)
スケッチブックを片手にデッサンのモデルなんかもしてもらっていました。
(残念ながらヌードじゃないれす…)
けれど、いつも写真から模写ばかりだった私は、
動く人物を相手に描くのが超苦手で、
「耳のドアップ~!」
「目だけ!!」
「次は足や~!」
などと、彼女の人体の一部分を描きだしては、彼女に見せ、
きゃらきゃら…とふざけあっては、デッサンの批評をしたりしていました。

~何がきっかけだったか、
いつのまにかプロレスごっこのようになっていました。
「ウエスタンラリアート!!」
「四の字固め~!」
「エルボー!」
笑いながら、組ず解れつ!

…いつの間にか、疲れて放心状態となり、
気がつくと、私は彼女の膝枕になっていました。
「…あ~あ、帰りたくないなぁ~…」
思わず私は呟いていました。
「…うちはこのまま泊まっていっても、ちっともかまわないのよ」
「……」
見上げると彼女の目と合います。
返事を待っている彼女の瞳はとっても綺麗です。
すいこまれそうな明るいブラウンの瞳。
ずっと見ていられたら~どんなにいいかな~…ああ、でも。
「…そうしたいけど、ウチの親が許してくれないから…ごめん…帰る」
「うん、わかった」

この時、時間が止まってくれたらいいのに…と神様に願いました。
彼女の膝枕が気持ち良くて、離れたくなかったんです。
ず~っと一緒にいたかったんです。

(11)へとつづく。

Secret

TrackBackURL
→http://keikei16.blog.2nt.com/tb.php/250-060e42a6