2ntブログ
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「どうしてこんなに良くしてくれるの?」
街中のカフェでパフェを口にしながら、彼女が尋ねます。
「え?だって好きやから」
「……」
なんだかナカタニちゃんは恥ずかしそうにうつむいています。
「?」
一瞬、何でそんな態度を取るのか、私にはさっぱり判りませんでした。
(;¬_¬)ン?…待てよ…。

Σ(゚▽゚)アッ!!判ったぁぁ~~!!
「ちょっと、何で下向いてんの!」
「え、だって…」
「私の話、続きがあるねんで!人の世話を焼くのが好きやの!!」
「…ああ、びっくりした」
「びっくりしたんはこっちやわ~!」
…私の会話には主語がなかった…。

その日はちょうどバレンタインデーで、店頭には色とりどりの
綺麗なチョコレートがたくさん並んでいました。
「美味しそ~…貰える男子(ヤツ)はエエよなぁ~…」
色気よりも食い気だった私は、物欲しそうにショーウィンドーを眺めていました。
「な~ナカタニちゃん、って…あれ?」
ふと、気がつくと彼女の姿がありません。
どこに行ったんやろ?
キョロキョロ見渡すと、見つかりました。
レジの所に並んでいます。
「?」
ふと彼女の手には、さっき私が欲しがっていたチョコの一つが…。
あ、ひょっとして、私にくれるつもりなんかなぁ~。
(↑普通、そうは考えない。)
よし、ほな私も負けずにこっちの大きいチョコを買っちゃおう!

「はい」
帰り際、彼女は私に包みを渡してくれました。
「何、これ~?」
知らないふりをして聞いてみます。
「開けてみて」
…やっぱりあの時のチョコレートです。
「サンキュー!じゃあ私も、ハイ!」
同じお店の包み紙を渡します。
「…あ~!」
出しぬかれた顔をする彼女。
「こんな大きなチョコ、悪くてもらえない」
「いいやん、別に。もらっておけば。ナカタニちゃんもくれたもん」
「……あ、うん・・」
なかば強引に手渡したのでした。

現在(いま)からかんがえると、自分の気持ちばかり押しつけて、
彼女に悪いことをしたのかもしれません。
おそらく、色々連れて行ってくれたお礼に…と、
せっかく私に、あの娘が買ってくれたチョコだったのに。
それより大きいチョコをあげたりなんかして…。
ああ、ごめんね、ナカタニちゃん。

(10)へとつづく。

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