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☆番外編
【垂枝海棠(すいしかいどう)】(2)
《紗世のつぶやき》
たとえば
湖水の水面(みなも)に
とつぜん現れる
波紋のように~
わたしの記憶の片隅
ふと思い出す光景…
~紗世の回想~
○バス停近くの自然公園(園内・朝)
園内・中心部にある
花海棠(垂枝海棠)の木。
一見、しだれ桜と見紛う枝ぶり
桜桃(サクランボ)のように
垂れ下がる枝の先~
ところどころ顔を覗かせる
薄い桃色の蕾。
花海棠(はなかいどう)の木を
足早に側を通りすぎる
制服姿の少女~紗世。
○公園(午後・園内)
霧雨が降りしきる中
傘もささず
通り抜ける制服の紗世
七部咲きの花海棠の木。
紗世の肩に
花びらが舞い落ちる。
「…」
ふと立ち止まり、見上げる紗世。
○バス停(夜)
最終バスから降りる
私服姿の紗世。
○バス停近くの自然公園(外から・夜)
薄曇。
微かに射し込む月明かりに
ぼんやり浮かぶ
満開の枝垂れた花海棠(はなかいどう)。
園内を通り抜け、
帰り道を急ぐ紗世
ふと何かに気づく。
○花海棠の木(園内・夜)
人気(ひとけ)の無い、
月明かりに照らされた
花海棠の木の下
花を見上げ、
静かに涙を流す髪の長い女性~
えみ香らしきシルエット。
突然の春の嵐
花吹雪になり
女性の長い髪がなびく
上村松園の描く『焔(ほのお)』の女性か、
または羽衣を失くした天女か…。
紗世、立ち去れず
遠くからいつまでも
女性を見ている…
《紗世のつぶやき》
あれは~えみ香さん…?
貴女だったの?
⑨へつづく。
【垂枝海棠(すいしかいどう)】(2)
《紗世のつぶやき》
たとえば
湖水の水面(みなも)に
とつぜん現れる
波紋のように~
わたしの記憶の片隅
ふと思い出す光景…
~紗世の回想~
○バス停近くの自然公園(園内・朝)
園内・中心部にある
花海棠(垂枝海棠)の木。
一見、しだれ桜と見紛う枝ぶり
桜桃(サクランボ)のように
垂れ下がる枝の先~
ところどころ顔を覗かせる
薄い桃色の蕾。
花海棠(はなかいどう)の木を
足早に側を通りすぎる
制服姿の少女~紗世。
○公園(午後・園内)
霧雨が降りしきる中
傘もささず
通り抜ける制服の紗世
七部咲きの花海棠の木。
紗世の肩に
花びらが舞い落ちる。
「…」
ふと立ち止まり、見上げる紗世。
○バス停(夜)
最終バスから降りる
私服姿の紗世。
○バス停近くの自然公園(外から・夜)
薄曇。
微かに射し込む月明かりに
ぼんやり浮かぶ
満開の枝垂れた花海棠(はなかいどう)。
園内を通り抜け、
帰り道を急ぐ紗世
ふと何かに気づく。
○花海棠の木(園内・夜)
人気(ひとけ)の無い、
月明かりに照らされた
花海棠の木の下
花を見上げ、
静かに涙を流す髪の長い女性~
えみ香らしきシルエット。
突然の春の嵐
花吹雪になり
女性の長い髪がなびく
上村松園の描く『焔(ほのお)』の女性か、
または羽衣を失くした天女か…。
紗世、立ち去れず
遠くからいつまでも
女性を見ている…
《紗世のつぶやき》
あれは~えみ香さん…?
貴女だったの?
⑨へつづく。
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